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案下道(あんげみち)走ってきた 和田峠にて峠走 [甲州街道]

峠走。

この爽やかそうな雰囲気の言葉に騙されて、走ってきた和田峠。
いや、歩いてきたといった方が正しいかもしれない・・・・・。

30km走も余裕を持って終えれるようになってきたし、
去年の4月に小仏峠走った頃よりどれだけ成長しているか確認したい気もあったので、
今回は甲州裏街道とも言われていた案下道(陣馬街道)を走ってきた。

八王子から甲州街道を進み、追分で甲州街道と分かれ案下道へ。
あとは、終点藤野まで道なりに行けば良いという分かりやすいルート。
距離も30kmくらいと今の自分にちょうど良さそう。
案下道.jpg
↑クリックで拡大または(表示されない場合は右クリックから別タブで開いてください)
↓(ルートラボ)
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=c4982cad6f9bfd30034e3485bb9dcc72

ということで、あまり下調べもせずに走りに出かけてしまった。

走り終えてからの温泉も予定していたので、着替えももって、
あとはお昼のお弁当、予備のおむすび2個、
電車の中で読む本を1冊、
そして給水用のペットボトル2リットルとリュックに詰め込んだら、
何これ重い・・・・。

過剰な装備は、必要無くても必要な時のトレーニングになると
最近読み直した『BORN TO RUN』に書いてあったので、
「なるほど、その通りだな。」と軽い気持ちで、重い装備で走ることにしてしまった。

大体30kmくらいなので、上りで遅くなっても下りで取り戻して、
平均キロ6分で走れれば、3時間くらいで藤野に着けるだろうと思っていたけど、
走り始めてすぐに、それはムリだと実感した。

普段、手ぶらで走っているのとは全く違い、
歩いているよりはましくらいなペースでしか走れない。
心のどこかで今日はヤバイかもと思いつつ、
「あっ、ここがユーミンの実家の荒井呉服店か」とか
「古そうな蔵造りの建物が街中に残っていて街道風情がのこっているなぁ」とか
追分にある、八王子空襲で破壊されながらも修復して現在も残っている道標に感動したり、
と背中の重さを忘れるように無意識にしていたような気がする。

その案下道と甲州街道の追分が地図の赤丸地点。
スタートから2.5kmくらいで、すでに30分も経過していた。
歩くよりマシなくらいという表現そのものだ。

追分を過ぎると地方の平凡な道路といった感じで車の交通量も結構あり、
目指す山々もまだまだ遠く、
たまにあるお地蔵さんや二十三夜塔が街道風情を感じさせてくれるものの、
ちょっと退屈な区間だった。

10km地点で圏央道を越えると(地図の黄色丸地点)、徐々に山が近くなり川沿いを走ったり、
自然を感じられて気持ち良く走れるようになってくる。
でも、山が感じられるということは傾斜が出てくるとうことで、
ここから「まだかな、まだかな・・・・・」と峠の麓の陣馬高原下のバス停を待ち焦がれるようになる。

陣馬街道を道なりに行けばよい、という大雑把な情報と重い荷物のため、
今、自分が全体の行程のどの辺りを走っているのかが分からないのが、
結構ツラかった。

おぼろげに覚えていた地名や施設が現れる度に、
もうすぐ陣馬高原下のバス停に違いないと思いながら、
何度も期待を裏切られていく。
峠の麓にたどり着くまでに、こんなに疲れるとは思わなかった。

夕やけ小やけふれあいの里という施設でトイレ休憩。
ここから、もうすぐで陣馬高原下バス停だろう、と思っていたけど、
そこの施設にあった地図で確認すると、そこそこあるらしい・・・・。
(あとで地図でちゃんと距離を見てみると3~4kmだった。)

陣馬高原下(和田峠)は左折という看板がある分岐まで来て、
やっとバス停近くにこれたとホッとした。
しばらく行き待ちに待った陣馬高原下バス停に到着。
(地図の青点の地点、スタートから約18km)
スタートから2時間14分。

いよいよやっとここからが峠走だ。
給水して気合を入れて走り出す。

が、進まない・・・・。
荷物だけじゃなくて、腰が重い。
進まないのに心肺が追い付かない。
坂道を上がり始めてから10分で給水のため立ち止まる。

息を整えて走り出すも、またもすぐに息が上がる。
「もう駄目だ。歩こう」と歩きだしたところ、
今まで走っていたスピードとほぼ変わらない・・・・。
「頂上が見えなければ走らず歩け」と、
『BORN TO RUN』に書いてあったのはこういうことだったのか実感。

あぁ、今日走り始める前までは
「峠を攻めてやるぜ!」なんて思っていたのに、
実際には峠に思いっきり攻められている気分。
歩きながら登っていくと舗装道路上はないものの斜面に雪が多くなり、
標高があがるにつれ寒くなってくる。
峠が近づくにつれ風が通りやすくなるのか、冷たい風が体温を奪う。
イカン!これは本当にヤバいヤツだ!
頭の片隅に「遭難」という言葉がよぎり、
身体を温めるべく出来るだけ早く歩くようにする。
(もう走る根性は残っていない。)
車も通る舗装道路なので、こんなところで遭難はできない。
(するはずはないんだけど。)
かなり疲れているはずなのに、すれ違う登山者の方がいると、
「こんにちはー」と何事もないように繕ってしまう。

もうすぐ峠ですよ、と教えてもらいちょっと元気になれた。

和田峠(地図のピンク丸地点)到着はバス停から42分。
そのうち走ったのは最初の10分だけ。
スピードはほぼ変わらないので、1kmも走れなかったのだろう。
またも撃沈。

30km走の撃沈とは違い、また近いうちにリベンジしようという気にもならない、
完璧な実力不足だと感じた。

峠でお弁当を食べようかとも思っていたけど、
雪が積もっていて思いのほか寒かったので、
藤野へ下りて走り終えてからお昼ご飯にしようと、
すぐに走り始めた。

さっきまで、あんなに走りたくなかったのに、
下りだと余裕で走れる!
『BORN TO RUN』で重力に仕事をさせるという表現があったけど、
これもまた今日、実感することができた。
普段の下り坂とは違い、ずっと続く下り坂ではそんな感じで走れる。
だけど、すぐに太ももが悲鳴を上げ始める。
わずかばかりの余裕の走りが終わった。

明日は確実に筋肉痛だ。下りは下りでヤバイ。

そしてまた始まった「まだかな、まだかな・・・・・」。
せめてあと何キロか誰か教えてほしい。
集落を通るようになってきたので、もうすぐ麓かと思いきや、
民家の屋根に野猿が3匹いて、まだまだ山の中だと思い知らされる。

そしてやっとたどり着いた藤野と上野原へと分かれる分岐。
藤野まで4キロの表示に、「あと4キロもあるのか・・・・。」とひるみながらも、
キロ6分で走るとして24分で終われる!と希望も見えた。
この辺りからは、2分ごとに時計を見てはガッカリを繰り返す。

藤野駅まで1.1キロの看板をみつけて、
あともう少しだから頑張ろう!と思ったとたん目の前にあらわれる長い上り坂・・・・。
ちょっと上っただけで歩きましたよハイ。
峠は歩いてしまったので、残りは全部走るつもりだったけど、
どうしても走れなった。情けない。

地図の下の標高を見ると30km地点でひょこっと上がっているところがある。
400メートル進んで40メートルほどの標高差。
その「ひょこっと」が峠でやられた足には過酷だった。

そこを上がりきるとトンネルがあり、坂は終わったけど走る気にはなれない。
トンネルを抜けるとそこは踏みきりがあり、
おおおおお、これで帰れる!と思うとちょっとだけ元気が出た。
踏切を渡り右へ曲がると藤野駅が見える。
最後の100メートルくらいは走ることができた。

スタートから3時間57分。
どうにか無事(遭難せずという意味で)、到着することができた。
3時間なんてとんでもない、とてもそんなに走れるものではなかった。

もうこのコースは走ることはない!と終わったばかりは思っていたけど、
土曜日に走って、2日経った今では、
荷物が軽かったらどうなっていただろう?とも思い始めていて、
もう1回、軽装備で試したい気がちょっとある。

・水は1リットルも持つ必要はないこと。(途中で購入可能なため)
・余分な食料は不要。(あれだけの荷物を持って走ってハンガーノックまではいかなかったので)

気温がまだ低いうちに、やる気と時間があったら同じコースをまた走るかもしれない。

※追記(2017年12月)
この時の画像をサルベージできたので、2枚だけUPです。

甲州街道との追分の道標
DSC_0125 (2).JPG
空襲でバラバラになったのを修復したものらしい。


和田峠の茶屋
DSC_0138 (2).JPG
ここの階段を登っていくと陣馬山山頂へ。

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