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神足歩行術 [ランニング]

記事『竹川竹斎』で触れた神足歩行術。
これを極めると1日に数百キロも走れるという。

1日100㎞普通に走れるようになるのを私が目標としているのも、
この神足歩行術を念頭に置いてのことだ。
とりあえず普通に40㎞走れるようになったので、
あながち無茶な数字ではないように思えてきた。

竹斎が書き残している歩行術の内容は、
(海野弘著『江戸ふしぎ草子』より)

まず根本になるのは、臍収めということであるという。これは気を丹田(臍)におさめ、首すじや腹や足の先までの凝りを解くことである。臍に気を集め、肩から足までの凝りを解き、気を全身に滞らせないようにすれば、何十里歩いてもつかれることはないという。


この辺りは、『日本の弓術 』に書かれている弓の達人・阿波研造氏の言葉と重なる。

あなたが弓を正しく引けないのは、 肺で呼吸をするからである。 腹壁が程よく張るように、息をゆっくりと圧しさげて、 痙攣的に圧迫せずに、息をぴたりと止め、どうしても必要な分だけ呼吸しなさい。 一旦そんな呼吸の仕方ができると、それで力の中心が下方へ移されたことになるから、 両腕を弛め、力を抜いて、楽々と弓がひかれるようになる。


当時の日本人には当たり前の「気を丹田に沈めるということ」を、
西洋人であるドイツ人に分かりやすく教えた言葉が、
今度はかつての常識を忘れた現代日本人にとっても、
時を越えて分かりやすくなっている。
この阿波研造氏の言葉によって、
神足歩行術ができるようになるかもしれない可能性を感じた。


そしてこの臍収めができたら、

第一に腰の間をゆるめる。これを大ゆるみという。 第二に股や膝をゆるめる。これを小きざみという。 そして、足の先をゆるめる。これを車さばきという。 このように、全身をゆるめ、はじめの一里はゆっくりと歩く。 気が丹田に落ち着き、体中の凝りが溶け、足が軽くなったら速足に移る。 腰の回転をなめらかにすることを腰千鳥、 脚の回転をなめらかにすることを千鳥車という。


というように段階的に走り方のコツを教えてくれている。

だけど、「はじめの一里はゆっくりと歩く」という、
この場合の「歩く」とは今でいう歩くなのか走るなのか?
それはナンバ歩きあるいはナンバ走りと言われているものなのか?
現代の我々の歩きかた走り方に近いものなのか?
そもそもゆるめるって簡単に言っても具体的にどうすればよいのか?
前提となる臍収めで全身の気を滞らせないとは?
と疑問は尽きない。

しかし、『日本の弓術』を読んで、
自分にも神足歩行術を体得する可能性があると思えるようになった。


やみくもに無理矢理ポジティブシンキングでそう思うのではなく、
できるんじゃないかと自然に思えている。
それには「無心」「無我」の境地が必須らしい。
ドイツ人オイゲン・ヘリケルにこの境地への不信を払拭させるために
師匠の阿波研造氏は神業の射を見せて、その道へ導いたという。

頑張らないよう淡々と精進したいと思っている。




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こばすけ

「無心」「無我」・・・現代でいう所の「ゾーン」なんですかね。。
緩めるというのも、とても興味深いですね~。。。
どうしても、力入りますからね。。いつも脱力を心がけておりますが中々上手くいきません。
こないだ箱根駅伝で話題になった抜け抜け病とかも、こういう古来の体についての考えが解決への鍵だったりするのかもしれませんね。
これは完全な思い込みですが、日本、開国後の急速な西洋化で何か大切な物を失っている気がします。。もちろんいい面もあるんでしょうが、、、♪

by こばすけ (2018-01-09 13:34) 

おむすび

>こばすけさん
「ゾーン」というより「悟り」に近いもののように、この本を読んで感じました。
脱力はたまにできても、長く続けるのもまた難しいです。
尻の穴を締めるとインナーマッスル優位になって、
ある程度脱力できるのでいつも意識してます。
大切な物を失っているというのは、思い込みではないと思います。
新美南吉(「手袋を買いに」「ごんぎつね」等の著者)はこのことを子供目線で童話にしていて、読むと切ない気持ちになりますが、
その気持ちが分かるということは今も失いつつある段階にあって、
完全には失っていないのかもと前向きに思ったりもします。
考えすぎでしょうかw
この時代のことを書いたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)とか新美南吉を久しぶりに読みたくなってしまいました。
by おむすび (2018-01-09 19:34) 

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