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【ちょっとフローに】超人の秘密その1【入ってくる】 [ランニング]

一瞬だけのフロー体験をしたことで、
その体験が何だったのかが知りたくて『超人の秘密』を読み返してみた。
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1~2年前に読んだ時は、「ふ~んこんな世界もあるんだね(自分には関係ないけど)」と思っていた。

だがしかーし!

一度フロー状態らしきものを体験してから読むと、非常に興味深く感じられた。
どのような時にフロー状態になるのか、が詳しく解説されているので、
自分の場合はどれに該当して何でフロー状態に入れたんだろう、という視点で読むことができて面白い。

まず、フローとは何かを説明したい。この本によると
ある活動に集中していて、ほかのことが重要だと思えない状態。自我は消えさる。時間は飛ぶように過ぎる。あらゆる動作や行動、考えは、、ジャズ演奏のように、その前のものに続いて不可避的に生じる。自分という存在すべてをその活動に注ぎ込み、自分のスキルを最大限に発揮している状態
だという。いわゆる「ゾーン」と言われるような体験のことだという。

「時間は飛ぶように過ぎる」とあるけど、
逆もあって時間が引きのばされて一瞬が長く感じられる場合もあるという。
事故の瞬間にこのような体験をされた人の話を聞いたことがある人も多だろう。
僕の場合も一瞬が長くなじられるパターンのヤツ(スローモーションではなかった)だった。
要は非常に集中している状態、「超集中モード」と言えばわかりやすいと思う。

フロー状態になると何ができるのかというと『超人の秘密』ではこう書かれている。
フロー状態にあると、ひとつの行為や決断が、次の行為や決断へと、やすやすと流れるように切れ目なくつながっていく。フローにある人は、ものすごい勢いで問題解決をおこないつつ、極限のパフォーマンスの川に押し流されていくのだ。ハーバード大学メディカルスクールの精神科医ネッド・ハロウェル、「フローは、弱虫をたくましい男に、スケッチを描いていた人を芸術家に、ただ踊るだけの人をバレリーナに、足の遅い人を短距離走者に変えます。普通の人を、特別な人へと自然に変えます。フロー状態では、なんであってもうまくできるようになる。チョコレートケーキを焼く、休暇の計画を立てる、微分方程式を解く、事業計画書を書く、テニスをする、セックスをする。フローは、多くの人が求めている、「さらに上」への入口なのです。あきめて現状を受け入れるよう自分に言い聞かせるのではなく、フロー状態になる方法を学ぶべきです。そこでは、必要としている「さらに上のもの」が、ちょうどよい量で手に入るでしょう」


脳内麻薬が出て超人になったような気がする、という話ではない。
フロー状態になると、通常であれば届かいレベルに、突如としてムリなく届くようになります。
と前出の精神科医ネッド・ハロウェル氏は言う。
自然とレベルアップするしかない状況になってしまうという。

なにそれ?美味しすぎるじゃん!

入口まではたどり着いたんだから、再現して自分のものにしたいという欲が出てきてしまった。
では、どうすればフロー状態に入れるかというと、
大きく分けて4つのきっかけ(フロートリガー)がある。

 1.外的なフロートリガー 
 2.内的なフロートリガー 「明確な目標」「直接的なフィードバック」「挑戦とスキルの比率」
 3.社会的なフロートリガー
 4.創造的なフロートリガー

「外的なフロートリガー」は危険な状況によって注意力を高めて「超集中モード」に入る方法。
この方法が手っ取り早くフローに入る近道になるけど、
エクストリームスポーツのアスリートに見るように命を落とす可能性も低くはないので一般向けではない。

そこでおススメなのが「内的なフロートリガー」ですよ。
「超集中モード」と言われるフロー状態だけど、何に集中するのかというと「現在」という時間だ。
現在には当然ながら過去も未来もない。ただ今があるだけなので「自己意識」もかなり少ない。
我々現代人は過去・未来・自己意識によって別の時間に追いやられることが多いという。
思い当たる節が多すぎて、「何も言えねー」。

ではどうすれば現在に集中することができるのか?

内的なフロートリガーは3つの方法でその道を示してくれる。
それが、「明確な目標」「直接的なフィードバック」「挑戦とスキルの比率」、だという。

1つ目の内的なフロートリガーの「明確な目標」は
作業をごく簡単にできる単位にわけて、それにあわせた目標を設定すればいい
らしい。

自分がフロー状態(と思われる状態)になったときは、
フン!フン!スッスッスッス!を1サイクルとした呼吸を意識していた。
フン!フン!で2回息を吐く間に4歩進み、スッスッスッス!と4回息を吸いながら4歩進むという、
ごく簡単な単位に分けられているので「明確な目標」に当てはまると思われる。
この8歩で1サイクルというのが絶妙な間合いなのかもしれない、と自画自賛してみる。
「海賊王にオレはなる!」とか「オリンピックで金メダルをとる!」とかは目標が抽象的な上に、
意識を未来へと向かわせて「現在」から遠ざけるので「明確な目標」とは対極にあるとも言えるだろう。
1サイクルのフン!フン!スッスッスッス!が終わったら、
次の目標はまた次のフン!フン!スッスッスッス!となり、それが終わったらまた次の1サイクルを、
というように「明確な」に主眼を置くのが良いらしい。

2つ目の内的なフロートリガーである「直接的なフィードバック」は、「現在」への別の近道だという。
これは、原因と結果をその場で直接的に結びつけることに他ならない。入力と出力の時間的な隔たりが小さいほど、自分たちのしていることの状況と、それをもっと上手くやる方法が良く理解できる。リアルタイムに軌道修正ができない場合には、パフォーマンス向上のための手がかり(過去にしたこと、他の人がしているのを見かけたこと)を探し始めてしまう。それは、私たちを今この時間から引き離してしまいかねない。しかし、フィードバックが直接的なら、求める情報はいつでもすぐ手の届く所にある。注意をあちこちさまよわせる必要はないし、意識を働かせる必要もない。


自分のランニングで例えるとするなら、
着地直前の間が取れていないなら身体の縦横アーチが出来ていないので修正するとか、
踵がガツンと地面と喧嘩していると着地が身体の前になってしまっていると気づけるとか、
つま先着地ができていて足先の小さいバネから身体の縦横アーチの大きなバネが連動しているから、
上手く走れていてとても気持ちよく気分が良いとか、
そういうことだと思う。
まあ普段からやっていることがフロー状態に入るために必要なものだったのだ。
ナイス!自分!

そして3つ目の内的なフロートリガー(一番重要らしい)が「挑戦とスキルの比率」ということだ。
このトリガーの基本的な考えは、注意が最も高まるのは(つまり、「現在」になるのは)、作業の難しさと、その作業のためのスキルが、ある特定のバランスになる場合だということだ。挑戦のレベルが高すぎると、不安で頭がいっぱいになってしまう。逆に挑戦のレベルが低すぎると退屈してしまって注意がおろそかになる。フローが現れるのは、不安と退屈というふたつの感情の中間あたりにある、「フローチャンネル」と呼ぶところだ。すなわち作業の難しさが、多少の背伸びは必要だが、耐えられなほど高くはないところだ。

これが今現在の自分のスキルの4%上だというのだ。
わずか4%頑張るだけでフローに入ることができてスキルが上がっていくという。
そこで大事なのが今現在の自分の「スキル」を正確に把握することだと思う。
この「スキル」を「ベスト」と勘違いしてはいけない。
だって自分のベストを毎日4%ずつ上げていくなんて無理無理無理!と思うでしょ?

自分の一瞬のフロー体験を振り返ってみると、
(一瞬でも体験できたというのが、こういう時に自信をもって言えるので大変役に立つ!)
軽い下り坂をキロ5分程度のペースで下っている時で、
鼻呼吸の範囲内で、例のフン!フン!スッスッスッス!で走れる程度の負荷だった。
言ってみれば、最近普通に走っているのとまったく同じ。意外とラクじゃないか。
たまたま自分のスキルの4%上のスイートスポットにまぐれ当たりしただけなのだ。

どうしてまぐれ当たりすることができたのか?と言うと、
走るのが面白くて自然と「現在」へと意識を向けられていたからじゃないかと思う。
走っていて何が面白いのか疑問に思われるかもしれないけど、
最近はバネが効いているなと実感できることが面白い。
子供の頃に夢中になったホッピングとかポンピングとか呼ばれていたバネでピョンピョン跳ねる遊具、
あれに乗っているような面白さ、楽しさが走っていて感じられるのだ。
その面白さが意識を「現在」へと向かわせてくれるスイートスポットと言えるだろう。

走っていてその瞬間が面白ければ、意識は「現在」にある証拠だ。
ペースが速すぎて苦しくなると意識は過去や未来に逃げようとする。
悔しさをバネにしたり、ラン後のご褒美のデザートやビールのことを考えたり。
逆にペースが遅すぎると意識は退屈して、また過去や未来をさまようことになるのだろう。
また上手く走れていると自然とペースが上がったりするので、
一概にペースを基準とするのは間違っているともいえると思う。

要は楽しく走っている時間が長ければフロー状態に入るチャンスが多くなるということだ。
最近走りながら自分を観察していると、過去や未来に意識が行ってしまう時間も多いと気づいた。
その時間を減らしていって、「現在」という時間をいつも生きていられたら、
「ちょっと風呂に入っていくる」くらいの感覚でフロー状態には入れるかも!夢想している。

今年に入ってからの自分の走りの質が変わってきたことで、より走るのが面白いと感じるようになった。
そして今まで自分が取り組んできたランニングの方法が間違ってはなかったという自信が、
(自己流なのでかなりの遠回りをしてきたとも思うけど)
自分のマインドをネガティブなものからポジティブなものへと変化させてくれた。
それがこのフロー体験というものにつながっていると実感をもって感じている。

フロー状態への入口の形状は分かった。
後はその入口があるらしい周辺を探検しまくればフロー状態への入口を発見できて、
いつでもそこへ辿り着けるようになれるだろう。
そうすれば「自動的に」走るのが上手くなって、自然と速く走れるようになる!ようが気がしている。

【「苦闘」】『超人の秘密』その2【を受け入れるよ】
【ひとっフロー】超人の秘密その3【浴びてくるぜ】も見てね。


フロートリガーにはあと2つ、 社会的なフロートリガーと創造的なフロートリガーがあるので、
(頭では理解できたけど、ピンとは来なかったので割愛しました。)
興味のある方は『超人の秘密』をご覧あれ。






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