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ランナー目線で見る『七人の侍』 [ランニング]

侍の動きを走る参考にしたい、と思い『七人の侍』を観た。
この映画のエピソードで、
駆け出し時代の仲代達矢さんが侍の歩き方が出来ていないと、
朝9時から夕方3時までOKが出るまでかかったという場面があって、
その場面の時間が何と2秒だけだったという。
ちょっと場面のつなぎになるようなカットにもこだわりをもって作った映画なら、
侍の動きも実際に近い動きをしていたのでは?と考えて参考になればとこの映画を観てみた。

でも、結局ストーリーが面白いので物語りを楽しんでしまい、
侍の動きに注意して見られたのはほどんどなかった・・・・。

その少ないながらに侍の動きを感じられた場面というのは、
僧に扮した侍が、
人質を取った盗賊におにぎりを差し入れするフリをして
(僧に扮しているので)丸腰で近づき、
相手の刀を奪って切り捨て、子供を救うという場面。
おむすびを盗賊に放り投げ、隙ができたその刹那、
スッと動き出す侍。
その動きが足で地面を蹴らずに、
まず身体の重心から動き出して足がついてくるという侍の動きを再現していたように見えた。
武術の世界では足で地面を蹴って動き出すのを「居着く」と言って嫌う。
踏ん張る分遅れが出て、その遅れが命の懸かった場面では生死を分けるらしい。
この蹴らない動きを習得できれば、もっと上手く走れるのになぁと思いつつ、
見ただけでは、どうしたらよいか皆目見当がつかないが
1歩1歩集中して自分の走りを観察しつつ、
そんな走りに近づければいいなと思う。

ランナー目線で気になったのが、
侍が農民に戦を語る場面。
「戦ほど走るものはないぞ」
「攻むる時も退く時も走る」
「戦に出て走れなくなった時は死ぬ時だ」
と侍は語っている。
ヤバイ、侍だったら腸脛靭帯炎で走れなくなって死んでたオレ・・・・、と思った。
まぁ、その時代の侍として育ったら腸脛靭帯炎になんてなってないと思うけど。

あと農民も侍も立ち姿や歩き姿では、
足と足の間が1足分以上開いているというのが、
やはり目についた。
自分は身体の中心に近いところで着地する癖があって、
それが当たり前のように感じていたけど、
自体の構造上それでは不安定なのは、
ちょっと考えればわかることなのに、
この当たり前のことに気づくまで腸脛靭帯炎になって、
色々考えるまで気づけないでいた。
とんだ遠回りだけど気づけたのでまぁ良しとしたい。

七人の侍の中でも老侍と若侍がいて、
老侍は力感なく走るのに対し、
若侍は軽やかに跳ねるように走っていた。
これはただ単に若いから、年をとっているからではなく世代間の違いで、
若侍の方は私と同じく現代風に矯正された結果の走り方だったのではないかと
ふと思った。
この映画が公開されたのが昭和29年(1954年)。
その時の世代差がその動きに現れたのではないか?
と思うのは考えすぎだろうか。

最後にもうひとつ、気になったことがある。
農民が土下座した場面で足の裏が見えるのだが、
その足の指が草鞋(わらじ)からはみ出しているではないか。
土下座.png
調べてみると、昔の草鞋(わらじ)は、現在の草履(ぞうり)とは違い、
鼻緒が草鞋の先端についていて、指がはみ出るように出来ているものらしい。
それは推進力が出しやすいためだとか、大地をつかむためだとか言われているみたいだけど、
現代の思考の癖がついた頭で考えても仕方がなさそうなので、
ワラーチの先端を切って草鞋(わらじ)と同じような状態を作って走ってみようと、
今このブログを書いていて思った。
ちょっともったいない気もするけど、試してみたい気の方が少しだけ勝っている。
このワラーチで1300㎞以上走っているし、次のワラーチも作ってあるし、
タイミング的にちょうどいいので、やってしまえということなのだろうか。

まさか『七人の侍』を観て、こんな展開になるなんてと思う連休終盤であった。


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